🗻 憧れの地、「天空の池」へ

以前からSNSや雑誌で見て憧れていた、長野県大鹿村の秘境「天空の池」。標高2,000mを超える山間に現れる、空を映す鏡のような絶景をこの目で見るため、意を決してその地へと向かいました。するぎ農園で美味しい蕎麦を頂き、まったりしてしまったので急ぎ向かいましたが向かいましたが…

「天空の池」までの道は、事前の情報通り、容易ではありません。黒川牧場手前までの道は、すれ違い出来ない道幅の狭い急な坂道の連続。慎重に車を進めて、なんとか黒川牧場の駐車場までたどり着きました。

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しかし、真の困難はここからだったのです。

🗺️ 黒川牧場からの誤算と焦り

ご存知の通り、現在「天空の池」へは、駐車場から先の農道黒川線が車両通行止めのため、約1時間かけて徒歩で向かう必要があります。

意気揚々と歩き始めたものの、急勾配の登山道は想像以上に厳しく、疲労が溜まります。そして何より、私の大きな誤算は道中の案内標識の少なさでした。

「あと少しで着くはず…」という焦りからか、途中の牧場内を横切るいくつものルートで、明確な案内がないまま、いつしか正規ルートから外れてしまっていたようです。

足場は笹で覆われていて滑ります、歩けども歩けども池が現れない。「天空の池」への期待に胸を膨らませていた私は、無駄に時間と体力を消耗してしまいました。

🌄 夕焼けに染まる山と、無念の引き返し

気づいた時には、時間は既に夕刻近く。

澄み渡っていた空は太陽は西に傾き、あたりは少しづつ暗くなり始めていました。山中での日没は一刻を争う事態です。道に迷っている現状で、これ以上進むのはあまりにも危険だと判断せざるを得ませんでした。それと来た道は幅も狭く、落石の可能性もあるので、明るいうちに麓まで下りた方が良いと思い引き返す事にしました。

あと少しのところだったかもしれません。もしかしたら、もう目の前だったかもしれません。

しかし、安全を最優先し、私は**「天空の池」の手前で、無念の引き返し**を決断しました。心の中では悔しさがこみ上げましたが、闇夜の山中での遭難だけは避けるべきことです。日が暮れる雄大な山々を横目に、残念な思いで駐車場へと戻りました。

📝 教訓:秘境を甘く見ない

今回の「天空の池」敗退で痛感したのは、秘境への挑戦は、軽装備でお気楽な気持ちでかかると危険だということです。

  • 入念なルート確認: 登山道や林道の詳細な地図、GPSアプリなどを用いて、常に現在地とルートを把握することが重要です。
  • スニーカーで行ってしまいましたが、足元の笹が思いのほか滑ります。トレッキングシューズ登山靴を使用しないと危険です。
  • 時間の余裕: アクセスの難しさを過小評価せず、午前中の早い時間に到着し、余裕をもって行動を開始するべきでした。特に晩秋は15時過ぎると暗くなってきます。
  • 引き返す勇気: 絶景への執着よりも、「このままでは危険」と判断したら潔く引き返す勇気が、山では最も大切です。

今回の訪問は叶いませんでしたが、この無念の経験を教訓として、必ず万全の準備を整えて再挑戦するつもりです。ただし、天空の池にはたどり着けませんでしたが、途中で見た紅葉、山々の景色は見事です。それだけでも訪ねて良かったと思いました。


🗺️ 天空の池 リベンジ計画:確実なルートと準備

前回の教訓を活かし、最も重視すべきは「ルート確認」と「時間管理」です。

1. 最新の道路状況の確認(最優先事項)

まず、出発前に必ず大鹿村の公式情報で最新の道路状況を確認しましょう。

  • 確認先: 大鹿村役場または大鹿村観光協会
  • 確認内容:
    • 林道中峰黒川線(黒川牧場駐車場までの道)の開通状況
    • 農道黒川線(駐車場から池までの徒歩道)の状況
    • 悪天候(特に大雨)の後の土砂崩れ情報がないか。

⚠️ 林道中峰黒川線は道幅の狭い箇所が多く落石がある可能性もあり、しばしば通行止めになります。必ず最新情報をチェックしてください。

2. 黒川牧場駐車場からの確実な徒歩ルート

駐車場から天空の池までのルートで迷わないよう、具体的なルートと対策を確認します。

🚶 ルート概要

  1. 黒川牧場駐車場に車を停めます。
  2. 「天空の池」方面を示す標識に従い、**農道黒川線(車両通行止め区間)**を歩き始めます。
  3. 基本的にこの農道一本道(ダート道)を登っていきます。道中、牧場内を通りますが、牧場から先の池へ続く道は笹に覆われていて分かりづらく滑りやすいです。上り坂を約30分~1時間登り切ると、黒川牧場の最高地点付近に池が現れます。

🧭 迷わないための必須対策

前回の反省を踏まえ、以下のものを必ず持参し、使用してください。

対策項目理由と使い方
GPS機能付き地図アプリスマートフォンに「YAMAP」や「ジオグラフィカ」などの登山アプリを入れ、事前に「天空の池」の地図データをダウンロードしておきましょう。電波の届かない山中でも現在地を正確に把握できます。
紙の地図アプリやスマホのバッテリー切れに備え、黒川牧場周辺の地図(広域図と詳細図)を印刷し、防水対策をして持参すると安心です。
分岐点での確認徹底牧場内を横切る際や、別の牧草地への道と分岐しそうな場所では、必ずアプリと地図で正しい進行方向を確認し、確信が持てるまで進まないようにします。

3. 時間管理と行動計画(日没対策)

時間帯行動内容目的
夜明け自宅を出発
7:00松川ICなどを通過し、林道へ林道は時間がかかるため早めに突入
8:30黒川牧場駐車場に到着・準備悪路走行を加味し、予備時間を含める
9:00徒歩で天空の池へ出発涼しいうちに登り始める
10:00天空の池に到着・絶景堪能風のない午前中が最も鏡面になりやすい
11:00復路へ出発
12:00駐車場到着・休憩
14:00下山開始遅くなっても明るいうちに山を下りる

二度と夕刻の焦りを経験しないよう、余裕を持ったスケジュールを組みます。これなら、天候急変やルートミスがあっても、余裕をもって日没前に下山を完了できます。

4. 装備チェックリスト

前回よりも万全な準備を。

  • ✅ GPSアプリを入れたスマートフォン(モバイルバッテリーも)
  • 紙の地図とコンパス(GPSが使えない時用)
  • 登山靴またはトレッキングシューズ(歩きやすい靴)
  • ✅ 防寒着、レインウェア(急な天候変化に備えて)
  • ✅ 熊鈴
  • ✅ 水分、行動食、昼食
  • ✅ ゴミ袋